Claude Codeを使うよう勧められると、黒い画面(ターミナル)を操作するエンジニア向けのツールだというイメージが先に立ちがちです。じつは今は、ターミナルを一切使わず、デスクトップアプリだけで始められる方法が公式に用意されています。ただし、インストールした後に「次に何をすればいいかわからない」で手が止まってしまうことがあります。最初の一歩で挫折したくないなら、始め方とつまずきやすいポイントを先に知っておきましょう。ここでは、初心者向けの始め方から最初の1週間の過ごし方、挫折しないための学び方までを解説します。
Claude Codeは初心者でも使える?不安の正体と結論
結論から述べます。Claude Codeはコードを書いた経験がない人でも使える設計になっています。ただし、使い始める前に感じる不安には理由があります。その正体を先に整理します。
「エンジニア向け」という先入観が生まれる理由
Claude Codeという名前には「コード」という言葉が含まれています。紹介動画の多くは黒い画面(ターミナル)を操作する様子を映しており、見るだけでエンジニア専用のツールだと感じてしまいます。
この感覚は、実際にGOROが実施した研修の開始直後にも表れていました。研修が始まったばかりの段階で参加者が今の気持ちを一言ずつ話したところ、不安の声が多く聞かれましたが、前向きな声も混じっていました。次のような声が上がっています。
実録支援先の声
研修開始時、参加者から出た声
「ついていけるか不安」
「Claude Codeの動画を見ても何だこれという感じで不安でいっぱい」
「初めて。コードっぽいものに触ったことがあるのでついていけるようにしたい」
「これからガンガン使っていくことになりそう」
出典:研修を受けた支援先の人の発言・記録
この声は特別なものではありません。黒い画面を前提にした説明が目立つ現状では、同じ不安を抱くのは自然な反応といえます。
結論:非エンジニアでも使える設計になっている
研修の開始時点ですでに、不安の声だけでなく「これからガンガン使っていくことになりそう」という前向きな声も出ていました。使う前から身構える必要はなく、実際に動かし始めれば印象が変わっていくことは、このあとの研修の様子からも見えてきます。
ここで押さえておきたいのは、Claude Codeの使い方そのものが、ターミナル操作を前提としない形に広がっている点です。具体的にどこから始めれば迷わないかは、次のセクションで手順とともに説明します。
初心者向けの始め方|インストールから最初の起動まで
前述のとおり、Claude Codeは非エンジニアでも使える設計になっています。ここでは実際の始め方を手順で確認します。
ターミナルを使わないデスクトップアプリという選択肢
Claude Codeという名前から、黒い画面を操作するイメージを持つ人は少なくありません。しかし現在は、その操作が不要な方法が用意されています。
公式のデスクトップアプリガイドには、CodeタブでClaude Codeを使う場合、Node.jsやCLI(コマンド入力画面)を別途インストールする必要はないと明記されています。アプリを起動するだけで、Claude Codeの機能にそのままアクセスできる構成です。
この変化は、GOROの研修設計にも影響していました。以前の研修は、VS Codeというエディタを用意し、Homebrewという仕組みでNode.jsを入れてから使い始める組み立てで、環境を整えるだけで1時間ほどかかっていました。デスクトップアプリであれば、この準備にかかる時間はほぼかかりません。
インストールからサインインまでの流れ
デスクトップアプリでの始め方は、次の3段階です。
| 手順 | 操作内容 |
|---|---|
| 1 | パソコンに合わせてインストーラーを実行する(Mac/Windows/Linux) |
| 2 | 起動後、自分のアカウントでサインインする |
| 3 | 画面上の「Code」タブを開き、使いたいフォルダを選ぶ |
フォルダを選んだあとは、画面に向かって自然な言葉で指示を出すだけで作業が始まります。何を指示すればよいか迷う場合は、ゼロから作るものではなく、すでに自分が扱っている資料やファイルのフォルダを選ぶ方法が有効です。公式のデスクトップアプリガイドでも、使い慣れた小さな対象から始めることが、Claude Codeの動きを早くつかむ方法として案内されています。
なお、ターミナル(コマンド入力画面)を使う従来の方法を選ぶ場合も、インストール自体にNode.jsは不要です。公式のクイックスタートには、ターミナルを使ったことがない人向けの案内も別に用意されており、どちらの方法を選んでも入り口が用意されている状態です。
有料プランが必要な点に注意
Claude Codeを使うには、Claudeの有料プラン(Pro・Max・Team・Enterpriseのいずれか)への加入が前提になります。無料プランでは利用できません。プランごとの料金や利用条件は変更される場合があるため、申し込み前に公式のセットアップガイドで最新の内容を確認してください。
Windowsのネイティブ環境でパソコンの中のファイルを直接操作する場合は、Gitを入れておくことが推奨されています。入れていなくても動作しますが、その場合はBashツールの代わりにPowerShellが使われます。
ここまでの手順を終えれば、画面を開いて最初の指示を出せる状態になります。ただし、インストールを終えた直後に、別の疑問でつまずくことがあります。次のセクションで、その具体的な中身を確認します。
インストール後に初心者がぶつかる3つの壁と対処法
前述のとおり、環境を整える段階の負担は小さくなっています。実際の研修でも、インストールを終えて画面を開いた参加者から、同じ質問が出ていました。
実録支援先の声(GOROの事例より)
インストール直後に出た3つの質問
インストールの次の段階で、多くの人が同じところで止まります。
「勝手に生成されるファイルが増え続けるが、これは必要なのか」「ルールを書くファイル(CLAUDE.md)を作りたいが、どこにあるのか分からない」「自分たちに合ったフォルダ構成の正解が分からない」。
ここでは、この3つの質問にひとつずつ答えます。
勝手に増えるファイルは何なのか
Claude Codeを使い始めると、作業フォルダの中に「.claude」という名前のフォルダが自動でできます。中身を見ると見慣れないファイルが並んでおり、不安に感じることもあります。
公式のドキュメントによると、この.claudeフォルダには、ルールを書くCLAUDE.mdや、設定を記録するsettings.jsonなどがまとめて置かれます。中でもsettings.local.jsonは、自分専用の設定ファイルで、保存した時点で自動的に共有対象から外れる仕組みになっているとのことです。
つまり増えているファイルは、Claude Codeが作業を進めるために残している記録であり、不要なゴミではありません。中身が分からなくても、慌てて削除する必要はないということです。
CLAUDE.mdはどこに置けばいいのか
CLAUDE.mdは、Claude Codeに業務のルールや前提を伝えるためのファイルです。ただ、置き場所が複数あるため、どこに作ればよいか迷うことがあります。
公式のドキュメントでは、CLAUDE.mdをプロジェクトの直下(./CLAUDE.md)や.claudeフォルダの中(./.claude/CLAUDE.md)など、複数の場所に置けると説明されています。さらに/initという指示を出すと、Claude Code自身がフォルダの中身を確認し、ルールの土台となるCLAUDE.mdを自動で作ってくれます。
公式ドキュメントには、CLAUDE.mdは作業を始めるたびに読み込まれ、内容が長すぎるとルールが守られにくくなる、という注意も書かれています。最初から完璧な内容を書こうとせず、短い内容から始めて少しずつ育てていく進め方が向いています。
自分に合ったフォルダ構成がわからない
フォルダ構成の正解は、ひとつの形に決まっているわけではありません。公式の設定ファイルガイドでは、チーム全員で共有する設定(.claude/settings.json)と、自分だけの上書き設定(.claude/settings.local.json)を分けて扱う考え方が示されています。
| ファイル | 役割 |
|---|---|
| .claude/settings.json | チーム全員に関わる共有の設定 |
| .claude/settings.local.json | 自分だけの作業用の上書き設定 |
この優先順位の仕組みからも分かる通り、フォルダ構成は業務の単位に合わせて整理していくものです。マーケティング業務用、資料作成用のように作業の種類で分けるか、プロジェクト単位でまとめるかは、使う人の業務によって変わります。具体的な分け方の考え方は業務単位でのフォルダの切り方で整理しています。
3つの質問はどれも、使い始めた直後につまずきやすいところです。仕組みが分かれば、慌てずに次の作業へ進めます。
最初の1週間、何をすればいいか|小さな成功体験の作り方
3つの壁を越えた後も、最初の1週間に何を指示すればよいか迷うことがあります。ここでは実際に起きた失敗と、それを避けた研修での進め方を比べます。
いきなり自由課題から始めると非効率になりやすい
Claude Codeは指示されたことを実行するツールであり、何に取り組むかは使う側があらかじめ決めておく必要があります。最初に何を任せるか決めないまま触り始めると、作業が進まないまま時間だけが過ぎてしまいます。
代表の旭俊成も、使い始めた最初の1週間について次のように書いています。
実録代表・旭の一次体験
代表自身の最初の1週間
とはいっても、私も最初の1週間は環境構築とYouTubeの真似ばかりで、何から任せればいいか分からず非効率に過ごしました。
出典:Claude Codeを半年使って、消えたのは「集めて整える」仕事でした(代表・旭俊成のnote)
環境を整えるだけで満足し、動画で見た操作をそのまま真似するだけでは、自分の業務には結びつきません。最初の1週間に必要なのは、自由な課題ではなく、具体的で小さな題材です。
まず自分の業務ファイルの小さな修正から試す
公式のデスクトップアプリガイドでは、Codeタブが選んだフォルダの中身に直接アクセスし、変更の内容を一つずつ承認・却下しながら進められると説明されています。ゼロから何かを生み出す前に、すでにあるファイルに小さな手を入れる使い方ができる仕組みです。
研修の現場でも、この進め方が取られていました。環境が整った後、いきなり新しいものを作らせるのではなく、参加者が実際の業務で扱っていたWebサイトのHTMLを題材に選んでいます。
実録支援先の声(GOROの事例より)
実際の業務ファイルで最初の成功を作る
環境が整った後は、先方が実際の業務で扱ったWebサイトのHTMLを使い、文章や画像の変更に取り組みました。
指示を出す → Webサイトが変わる → 結果を確認する
いきなりゼロからサイトをつくるのではなく、先に小さな変更を成功させることで、Claude Codeの基本的な動かし方をつかみました。
文章を一行書き換える、画像を一枚差し替える、といった指示です。それだけの指示でも、画面の中でファイルが実際に変わる様子を見ると、何をすれば動くのかが体で分かります。
最初の1週間に用意すべき題材は、次のようなものです。
| 題材の例 | 指示のイメージ |
|---|---|
| 自分が担当している資料やページのHTML・文章ファイル | 「この文章をもっと簡潔にして」 |
| すでに使っている画像の差し替え | 「この画像をこちらのファイルに変えて」 |
| 毎回手作業で直している箇所 | 「この部分の表記をまとめて統一して」 |
大きな成果を狙うより先に、指示を出した通りにファイルが変わる経験を積む1週間にすることが、次の段階へ進む材料になります。
挫折しないための学び方|独学と伴走、どちらを選ぶか
小さな成功体験を積んだ後、次に出てくる悩みは、この先を一人で続けるか、誰かと一緒に進めるかという点です。
エージェント型ツールゆえの学習曲線
Claude Codeは、質問に答えて終わるチャットボットとは性質が異なります。Best practices for Claude Codeでは、ファイルを読み書きし、コマンドを実行しながら自律的に作業を進めるエージェント型のツールだと説明されています。公式ドキュメントには、この自律性には学習曲線が伴うと明記されています。
さらに同じ文書では、やり取りする情報量が増えるとClaudeの性能が落ちていく場合があると説明されています。対策として、テストや確認など検証できる区切りを与えることが推奨されています。
一度指示を出せば自動で完成するのではなく、途中の確認を挟みながら進める性質です。この性質に慣れるまでの時間が、公式が言う学習曲線にあたります。
一人で始めると挫折しやすい理由
この学習曲線を一人だけで越えようとすると、途中で手が止まりやすくなります。実際に行われた研修でも、講師から同じ見立てが語られていました。最初にひとりで始めると、何をしているか分からないまま進まなくなり、そのまま使うのをやめてしまう人が多いという見立てです。
一緒にやることで学習コストが下がる
一方、隣に誰かがいる状態で進めると、同じ疑問もその場で解決でき、作業が止まりません。実際に行われた研修では、HTMLの修正に加え、採用サイトのワイヤー作成と公開、ヒューリスティック評価の結果をFigmaにコメント投稿し、Notionにチケットを登録するところまでを参加者が体験しています。
研修の開始時には、冒頭で触れたとおり不安の声が目立っていました。ところが、一連の作業を終えた後には、同じ参加者からこのような声が出ています。
実録支援先の声
研修終了時、参加者から出た声
「ハードルが思ったより高くない」
「楽しい」
出典:研修を受けた支援先の人の発言・記録
研修の開始時にあった不安の声は、終了時にはこのように変わっていました。
独学で学習曲線を越える道も、もちろんあります。公式のドキュメントを読み込み、小さな題材で試しながら、自分のペースで慣れていく進め方です。
最初につまずいた瞬間にすぐ質問できる相手がいるかどうかで、同じ1週間の中身は大きく変わります。最初の数歩を誰かと一緒に踏み出すかどうかで、「できた」という実感に届くまでの距離は変わってきます。
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