Claude CodeでMCPをつなごうとしたのに、ツールが一覧に出てこない、承認画面が出ないまま止まってしまう——そんな戸惑いを感じていませんか。じつはMCPのつまずきの多くは、プロジェクト単位の無効化や連携権限の不足など、確かめる順番さえわかれば自分で解決できるものです。ただし「ツール一覧にない=使えない」と早合点すると、実は使える手段を見落とすこともあります。ここではMCPの基本とClaudeの『コネクタ』との違い、追加・設定の流れに加え、GOROが実際につまずいた場面をもとに、つながらないときの確かめ方を順番に整理します。
Claude Code MCPとは?Claudeの「コネクタ」との違い
Claude Code MCPとは、Claude Codeが外部サービスとデータをやり取りするための接続の仕組みです。会計ソフトや分析ツールの情報をClaude Codeに読み込ませたいとき、この仕組みを使って接続します。
Claude Codeの公式ドキュメントでは、Claude Codeについて、コードベースを読み込みファイルを編集し、コマンドの実行まで行うエージェント型のコーディングツールだと説明しています。MCPはこのエージェントが、社内の数字や他サービスのデータに手を伸ばすための接続経路にあたります。
MCPは外部サービスとやり取りするための共通ルール
MCPは「Model Context Protocol」の略です。Claude Codeのようなツールが、会計ソフトや分析ツール、ファイル保管サービスなど、種類の違う外部サービスと同じ手順でやり取りできるように定められた共通の約束ごとと考えてください。
接続先ごとに専用の連携方法を覚える必要はありません。MCPという共通の窓口に沿って設定すれば、Claude Codeはそのサービスのデータを参照したり、操作したりできるようになります。
Claudeの「コネクタ」と何が違う?
Claudeには、CLIでのMCP設定とは別に、ブラウザやデスクトップアプリの画面上で外部サービスと接続できる「コネクタ」と呼ばれる機能が用意されている場合があります。対応しているサービスや具体的な設定手順は時期によって変わる可能性があるため、最新の内容はClaude Codeの公式ドキュメントや公式サイトで確認してください。
本記事で扱うのは、ターミナルのコマンドで追加・有効化・無効化を管理するClaude CodeのMCPです。画面上の操作だけで完結する接続とは設定の前提が異なるため、別物として区別しておくことをおすすめします。
Claude CodeのMCPはコマンドで管理する接続
Claude CodeのMCPは、ターミナルのコマンドで追加・有効化・無効化を管理する接続です。claude mcp addのようなコマンドを実行して接続先を登録し、必要に応じて特定のプロジェクトだけで有効・無効を切り替えられます。
コネクタのような画面操作中心の接続方法と、コマンドでの設定作業が前提になるClaude CodeのMCPとでは、設定の進め方が異なります。この違いを把握しておくと、「画面上で見た接続先が、Claude Codeの一覧には出てこない」といった戸惑いを防ぎやすくなります。次の見出しから、実際の追加・設定の手順を順番に見ていきます。
Claude CodeにMCPを追加・設定する基本の流れ
前述のとおり、Claude CodeのMCPはコマンドで管理する接続です。ここでは、接続先を登録してから実際に使えるようになるまでの流れを、つまずきやすい順番で確認します。
| 段階 | 使うコマンド | やること |
|---|---|---|
| 追加 | claude mcp add | 接続先をClaude Codeに登録する |
| 設定 | /mcp(ターミナル内) | プロジェクトごとの有効・無効を切り替える |
| 認証 | claude mcp login <接続先名> | ブラウザでログインを承認する |
追加:mcp addコマンドで接続先を登録する
Claude CodeにMCPを追加するときは、ターミナルで claude mcp add コマンドを使います。インターネット上にあるリモートMCPの場合、--transport http でURLを指定し、認証用のキーをヘッダーに渡す形で登録します。
ここで注意したいのが、キーの置き場所です。チームで共有している設定ファイルにキーをそのまま書き込むと、ファイルを見られる人全員にキーが見える状態になります。発行したキーは、担当者ごとに自分のターミナルで、ユーザー単位の設定として登録する運用が安全です。
実録GOROの作業記録
有料ツールのAPIキーは共有ファイルに書かない
キーはgit管理の
.mcp.jsonに入れず、旭が自分のターミナルでclaude mcp add --transport http ahrefs <URL> --header "Authorization: Bearer <key>" -s userを実行する。出典:GOROの社内の作業記録
設定:有効・無効を/mcpで切り替える
接続先を追加しても、プロジェクトごとの有効・無効設定によっては使えません。Claude Codeの設定ファイル(~/.claude.json)には、無効化した接続先の一覧が保存されています。
この一覧に接続先の名前が入っていると、そのプロジェクトでは「Disabled for this project」という扱いになります。有効にするには、ターミナルの中で /mcp コマンドを実行し、対象の接続先を選んでEnableにする必要があります。
ここで設定ファイルを直接書き換えて解決しようとしても、うまくいきません。Claudeが設定ファイルを直接編集しようとする操作は、自動的に止められる仕組みになっているためです。
実録GOROの作業記録
無効化されたMCPは/mcpコマンドで有効にする
CLI側は
~/.claude.jsonのdisabledMcpServersに mf-accounting が入っていて「Disabled for this project」。ターミナルの /mcp で Enable が必要(Claudeによる直接編集は自動ブロックされる)出典:GOROの社内の作業記録
認証:mcp loginでログインを承認する
接続先によっては、追加しただけでは使えず、ログインの承認が別途必要です。承認には claude mcp login <接続先名> というコマンドを使います。実行するとブラウザが開き、該当サービスへのログインと許可を求められます。
デスクトップアプリの /mcp 画面にある連携ボタンから試す方法もあります。今回、会計ソフトの接続を試した際は、この連携ボタンからのサインインが完了せず、ターミナルからの認証コマンドに切り替えて解決しました。
実録GOROの作業記録
デスクトップアプリの連携ボタンが失敗したらターミナルから認証する
デスクトップアプリの /mcp の連携ボタンは「サインインを開始できませんでした」で失敗する。ターミナルで
claude mcp login mf-accountingを使う出典:GOROの社内の作業記録
承認が完了しても、すでに開いているセッションには反映されないことがあります。認証が終わったら、一度Claude Codeを閉じて、新しいセッションを開き直すと設定が反映されます。
つないだのに使えない?よくある4つのつまずきと確かめ方
ここまでの手順どおりに進めても、実際には「つながったはずなのに使えない」という場面に出くわすことがあります。起きている症状から、確かめる順番を整理しました。
| 症状 | 考えられる原因 | 確かめる場所 |
|---|---|---|
| ツール一覧に接続先が出てこない | プロジェクトで無効になっている | ターミナルの /mcp |
| 承認画面が出ず、連携アプリの一覧に飛ばされる | アプリ連携の権限が付与されていない | 管理者のアプリポータル設定 |
| デスクトップアプリの連携ボタンでサインインできない | その認証方式がアプリ側に対応していない | ターミナルの claude mcp login |
| 欲しいツールが一覧に見当たらない | 別の手段ですでに対応できている場合がある | .claude/mcp/ フォルダと手元の認証情報 |
一つずつ、確かめ方を見ていきます。
プロジェクトで無効になっていないか(/mcpで確認)
前述のとおり、無効化された接続先は設定ファイルを直接書き換えても直りません。接続先を追加したのにツールが呼び出せないときは、まずこの無効化を疑い、ターミナルの /mcp で状態を確認します。
承認画面が出ず連携アプリの一覧に飛ばされる場合
認証のコマンドを実行してブラウザが開いても、承認の画面が表示されず、連携中のアプリ一覧ページへ移動してしまうことがあります。この場合は、ログインしているユーザーに、アプリ連携そのものの権限が付与されていない可能性があります。
実録GOROの作業記録
承認画面が出ないのはアプリ連携権限の不足だった
承認画面が出ずアプリポータル「連携中アプリ」に飛ばされる=ユーザーにアプリ連携権限がない(URLに
error_code=no_app_integration)。出典:GOROの社内の作業記録
URLの末尾にこうした文字列が付いている場合は、権限不足が原因である可能性が高いです。権限は利用者本人では付与できないため、管理者権限を持つ担当者に、アプリポータルのユーザー設定から付与してもらう必要があります。
デスクトップアプリの連携ボタンが失敗するとき
前述のとおり、デスクトップアプリの連携ボタンでは認証が通らず、ターミナルからのログインで解決した接続先があります。連携ボタンを押して失敗のメッセージが出た場合は、このケースを疑い、ターミナルでの認証に切り替えます。
ツール一覧にないだけで「できない」と判断しない
欲しいツールがMCPの一覧に見当たらないとき、すぐに「この作業はできない」と判断するのは早すぎます。確認すべき手順は次の順番です。
- 手元の認証情報の保存場所に、該当サービスのトークンがすでに保存されていないか
.claude/mcp/のフォルダに、関連するスクリプトがすでに置かれていないか- それでも手段が見当たらない場合に、初めて「できない」と判断する
実録GOROの作業記録
MCPの一覧にないだけで「できない」と言わない
「Google DocsのMCPツールがない」という理由だけで「できない」と言ってはいけない。MCPツール一覧になくても、認証情報・スクリプトが揃っている。
出典:GOROの社内の作業記録
MCPはあくまで接続の一つの手段です。一覧に表示されていなくても、別の仕組みですでに同じ作業ができる状態になっている場合があります。Googleサービス側の認証や権限の考え方は、Google Drive連携で決めるべき参照範囲と権限でも扱っています。判断を急がず、保存場所とフォルダの中身を確かめてから結論を出してください。
業務でつなぐならどこから?おすすめの4分野
ここまでの確かめ方を踏まえると、次に気になるのはどこから接続を始めるかです。ここでは、社内で実際に使っているアクセス解析・Googleドライブ・会計の3分野に加え、多くのチームで必要になりやすいNotion連携も合わせて、4つの分野を整理します。接続そのものの手順ではなく、分野を選ぶときの判断材料として読んでください。
| 分野 | 減る作業 | 向いている担当 |
|---|---|---|
| アクセス解析 | レポート用の数字集めと転記 | Web担当・マーケ担当 |
| Googleドライブ | 書類の作成・整形の往復 | ディレクター・事務担当 |
| Notion | 社内ドキュメントの確認・転記 | チームリーダー |
| 会計 | 経理データの確認作業 | 経理担当・経営者 |
アクセス解析:GA4・Search Consoleのレポート作成を自動化
月次のアクセスレポートを作るとき、多くの担当者はGA4やSearch Consoleの画面を開き、数字をコピーしてスプレッドシートに貼り付けています。この転記作業をMCP経由で減らせます。
社内の作業記録では、GA4とSearch Consoleのデータを参照できるMCPサーバーを作り、ページ別のレポートや検索キーワードの取得、スプレッドシートへの書き込みまでをまとめて呼び出せるようにしていました。このMCPは自社サイトの月次レポート作成や週次レビューで実際に使われています。
「GA4 / Search Console のデータを Claude Code から参照できるようにする」
出典:GOROの社内の作業記録
数字を見るだけでなく、取得した数字をそのままドキュメントやシートに書き込む工程まで一つの接続でまかなえる点が、レポート作成の時間を減らすポイントです。数値の取得方法や項目の詳細はGA4・Search Consoleとの連携方法で扱っています。
Googleドライブ:書類づくりの手間を減らす
提案書や議事録の下書きを作るとき、文章を考える作業と、それをドキュメントの形式に整えて保存する作業は分けて考えられます。後者の部分をMCP経由のドキュメント操作に任せると、往復の手間が減ります。
前述のGA4のMCPサーバーには、ドキュメントの作成・追記・置換やドライブのファイル一覧取得といったツールも含まれています。レポートの数字をまとめた後、そのままドキュメントに書き出す流れを一つの接続でつなげられる点が、書類づくりの往復を減らす理由です。
Notion:社内ドキュメントとのやり取りを減らす
社内の議事録や仕様書がNotionにまとまっているチームでは、必要な情報を探してコピーしてくる作業そのものに時間がかかります。NotionのMCPをつなぐと、該当ページの内容をClaude Codeの会話の中で参照できるようになる分野です。
探す・開く・コピーするという一連の操作を減らせる可能性がある分野として、接続の具体的な手順やできること・制限はClaude CodeとNotionの連携方法で詳しく解説しています。
会計:経理データの確認をつなげる
経理データの確認は、数字の正確さが求められるため、担当者が毎回ログインして画面を確認していることが多い分野です。会計ソフトのMCPをつなぐと、この確認作業をClaude Codeの会話の中から行えるようになります。
ただし、会計ソフトのような外部サービスとの接続では「公式には使えるはずなのに動かない」という場面に遭遇しやすい分野でもあります。前述のとおり、無効化の解除やアプリ連携の権限、デスクトップアプリでの認証の失敗といったつまずきは、会計ソフトのMCPを接続する過程で実際に起きたものです。確認すべき順番は前の見出しで整理した手順と同じです。
見つけたい情報がツール一覧に出てこない場合も、判断を急がない姿勢は会計データの確認でも変わりません。手元にすでに別の手段が用意されていないかを先に確かめてから、接続先を見直すようにしてください。
MCPの認証情報(キー)を扱うときの最低限の注意
接続先を増やすほど、発行するキーの数も増えていきます。最後に、キーの扱い方について押さえておくべき最低限の注意を整理します。
APIキーはgit管理の設定ファイルに入れない
前述のとおり、チームで共有している設定ファイルにAPIキーをそのまま書き込むと、閲覧できるメンバー全員にキーが見える状態になります。キーが流出すれば、発行者本人になりすまして外部サービスを操作されるおそれがあるため、共有ファイルへの書き込みは避ける必要があります。
本人のターミナルで登録する理由
前述のとおり、有料の分析ツールのリモート接続を追加する際、キーはプロジェクトの共有ファイルには書き込みませんでした。
ここでのポイントは2つです。
| ポイント | 内容 |
|---|---|
| 登録する場所 | 共有の設定ファイルではなく、本人のターミナル |
| 登録の範囲 | プロジェクト単位ではなく、ユーザー単位の設定として登録する |
キーを発行した本人が、自分のターミナルでこのコマンドを実行すると、キーはその人のユーザー単位の設定として保存されます。共有ファイルには一切書き込まれないため、他のメンバーがファイルを開いてもキーの中身は見えません。
接続先を増やすたびに、このキーをどこに書き込もうとしているかを一度確認する習慣をつけると、共有ファイルへの書き込みミスを防げます。情報漏洩のリスクや法人としての管理体制については、法人向けのセキュリティに関する記事で詳しく扱います。
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